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美登里がはじめて完成されたスタンドを使いこなす様を仗助を通して目撃してから、翌日。

悲しい事件が東方家を襲った。
仗助の祖父にあたる、東方良平が亡くなったのだ。

死因は脳溢血だと聞いたが美登里はこの一報を聞いて、すぐさまあのコンビニ強盗にとりついていたスタンドが関連づいているのではないかと疑った。

初老とはいえ、警官を現役として勤めていた彼が突然死をするとは思わなかったからだ。

良平とは一度しか会っていないが、美登里の受験終了祝いの食事会にとても気さくに話しかけてくれた事は彼女にとっては、大変嬉しいものであったし、これからも仲良くしていきたい人物だと思わせてくれた。

だから、この悲報を聞いて美登里は悲しむと同時に何故か胸のざわめきが止まらなかった。
そして、半ば衝動的に東方家に足を向けた。





「…何か、私に出来る事はないかな」
「…」

弔問に訪れ帰り間際に戸口の側で美登里は、ついに仗助に自分がスタンド使いという事を明かそうとした。
どう言いだそうか迷った末の言葉だが却って仗助に不信感を抱かせたようだ。
ゆらりと立つ様は覇気がないが、逆に怖い。

「何もしてくれなくてもいいスよ、これは俺の家族に関わる問題だからよぉ」
「…良平さん、本当に…脳溢血で死んだの?
あんなに元気だったのに…。本当は何らかの原因で…」

美登里がこう切り出すと、途端に眉をひそめ仗助は彼女を見下ろした。

「何を言いたいかさっぱり分かんねぇよ、それに何でそこまで知りてぇんだ?」
「そ、それは…」


仗助の表情を見て死因に触れたのは不躾だったと気づき、新しい言葉をかけようとするも美登里はなかなか言葉が出てこなかった。
そして先程自分が発した言葉を戻せない事実に、改めて歯がゆい気持ちが出てきた。

ぐっと美登里が口を噛み締めながら、どう言葉を切り出そうか迷っている内に新たな人物の声が彼女の背後から聞こえてきた。

「おい仗助…何をしている」
「あ、承太郎さん…」
「え、えっと…この方は…?」

いつの間にか後ろに居た男に、緊張しながら美登里は自分の名を告げた上で、尋ねると男自ら名乗り出た。


「…空条承太郎。ここにいる、東方仗助の年上の甥にあたる」


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