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「…悪いが、用がなければ即効立ち去って
もらいたい。
俺たちは暇じゃあないんだ」
「い、いえ。用があるといえばあります。…」

どうやら空条承太郎は寡黙な人らしい。
自分の父に似ているだなんて思ってしまって、美登里はそんな考えを取り消すように、頭を振る。

承太郎は「…やれやれだぜ」とぼやき、眼光のするどい眼をさらに細める。

仗助と空条承太郎。
長身の男性の中で居心地の悪さを感じながら、ここでひいては同じ事だと思って美登里は思い切って告げた。

「…私も、スタンド使いなんです。
しかも、新米に入るだろうという分類ですが。仗助君のスタンドも拝見してます。
 
…何かが起きてると思っていいんですよね?良平さんの死に関わりがある事が…
-------でしたら、仗助君の役に立ちたいんです…!」
「…ご立派なご明察とご覚悟だが。
お生憎、これから俺たちの対峙するやつは凶悪な殺人鬼だ。生半可な気持ちでやってると死ぬぞ。

…雨が降る前に帰れ」
「…」

承太郎の言う通り、窓の外はどんよりした曇天で今にも降り出しそうだ。
彼の有無を言わせない態度に、ある意味優等生な美登里は何にも言い返せず東方家を後にしようと玄関扉の取っ手に手をかけた。

「-------もし君のスタンド能力を使いこなしたいというなら、私は杜王グランドホテルに滞泊している。
興味があるなら、訪ねてこい。」
「…はい」

承太郎は自分の名刺を渡し、それからリビングの方へ向った。
残された仗助と美登里は暫し黙ったままだったが、美登里は承太郎の言われた通りに東方家を後にした。

「…まさかあの娘もスタンド使いだったとはな。
一体この街には何の異変があるんだ」
「…さぁ俺にはさっぱり分からないっすよ…」

美登里が去ってから仗助と承太郎はアンジェロ来襲に備えていたが、仗助の胸中には、彼女の言葉と表情が残っていた。

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