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「あら〜、仗助くん。学校帰り?」
「あっ、はい!お久しぶりっス美すずさん」

仗助がいつものようにジョセフと静と連れ立って街を散策していると、とある女性から声をかけられた。
彼女はこちらを穏やかに見つめるので、仗助は少しだけ気恥しくなる。

女性は、同級生で同じくスタンド使いの美登里の母親である。

買い物袋を片手に提げ、仗助らに歩み寄る美登里の母・美すずは仗助らの方に歩み寄る。美すずは、仗助からジョセフと視線を変える。

「仗助くんの…ご親戚の方かしら?
こんにちは、同級生の白石 美登里の母です。」
「ああ〜その…」

恐らく仗助を取り巻く環境は知らないであろう美すずに、ジョセフのことをどう紹介しようかと仗助が言いあぐねていると。

「…ワシは仗助の父親じゃよ。
親子共々、美登里さんにお世話になっております」
「…まあ、そうでしたか」

男子高校生の父親にしては歳かさのあるジョセフの言葉に対して、少し戸惑いのある様子を見せつつ、美すずは軽く会釈をする。

戸惑いはありつつ、美すずに父親の存在を受け入れて貰えたようだと仗助は心做しか安堵していた。

「仗助くんとお父様、それと…妹さん?はこれからどこかにお出かけなのかしら?」
「ああ、そうですとも。
仗助くんに連れられて、杜王町を散策するのが毎日の日課じゃ」
「それはいいですね。
…自宅が近くですの、よろしければお茶でもいかが?」



美登里の母の言葉に甘える形で、仗助はジョセフと静とともに彼女の自宅に寄った。

仗助は、美登里を自宅まで送り届けたことがあるくらいで実際に内部に入るのは始めてである。
美登里本人はアルバイトに出勤しており、不在である。

美登里の母が台所でお茶の準備をしている間、居間にいる仗助はきょろきょろと部屋を見回す。
きちんとした性格である美登里の家庭環境が反映されている、と仗助は感じた。

「…あまりきょろきょろしていると、行儀が悪く見えるよ」
「…」

分かってる、と父にふてぶてしく返す仗助であった。


それから、美登里の母から美味しい茶菓子とともにお茶をご馳走になった仗助達は、結局美登里が帰宅するまで居続けた。

帰宅した美登里は、ジョセフと母が楽しく歓談している様子をみて驚いていた。


ジョセフと仗助を自宅の玄関先で見送った後、美登里は横にいる母を横目で伺いみる。
母は、ジョセフと仗助の後ろ姿を心配そうな、複雑な面持ちで見ている。

「…朋子さんからある程度、話は伺ってたんだけどね。やっぱり、最初は戸惑っちゃったわ」
「…私も、ジョセフさんと始めて会った時はびっくりしたけどね。

仗助くんとジョセフさん、それに朋子さん。
やっぱり似ているなぁと思えば全然不思議じゃあないなぁって」
「…ふふ、親子は似るって言うけど本当ね。

貴方も、お父さんとお母さんの子なんだなぁって実感するわ」

美登里は母の言葉に頷いて見せた。

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