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杜王町の海岸線沿いに広がるリゾート地帯は、来たるサマーシーズンの到来に備え敷地の環境整備が行われている。
7月の海開きを境に、県内外から観光客がこの土地の自然に触れようと訪れるのが通年である。

その一帯にある施設に美登里はある人物を伴って、承太郎、ジョセフの元を訪れていた。
承太郎は、美登里とともに訪れた岸辺露伴を一瞥する。

「露伴先生、こちらは…」
「ああ知ってるさ。
空条承太郎とジョセフ・ジョースター…君の人生を『読ませて』もらった時、何度か見かけたよ」
「…それなら良かったです」

些か慇懃無礼な物言いをする露伴に、ジョセフは少しだけ不思議そうな顔をする。それに対し、承太郎は顔色を変えない。

「…露伴先生のスタンド能力については、予め美登里君から話を聞いている。
敵ではないと仮定しているが、今日は先生のスタンドについても把握しておきたい」
「…僕のスタンドで良ければ…」

少しだけ心が通じあったような承太郎と露伴の雰囲気に、今度は美登里が首を傾げた。

承太郎に案内をされ通された小部屋には、既に数人が在室していた。普段、会議室で使われているような部屋である。
美登里は大人3人の後から入り、出入口付近の椅子に腰掛けた。
テーブルを挟んで対面するように向かい側にいる数人は、スピードワゴン財団の職員である。
面子をみると、アジア系、ヨーロッパ系、ラテン系…と様々な人種が在籍していることが分かる。

彼らの目の前に、テーブルに置かれた1組の弓と矢が置かれている。
古びて今にも壊れそうな木製の弓と矢だが、なかなか興味深い代物だと美登里は承太郎から話を聞いている。

「…早速だが、ミス・白石。
君のスタンド能力について話を伺っても?」

美登里から見て右側にいる人物が口を開き、美登里に向かって質問をしたので彼女は緊張しながら答えた。

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