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学校からの帰り道、美登里は自然とある場所に歩を進めていた。

ドラッグストアとコンビニのオーソンの間には何も無いことを確認すると、彼女は短く息を吐き、それから空を見上げた。

地図には載っていない、ある時点から時計の針が止まっている不思議な小道にまた邂逅しないかと美登里はたまに足を向けている。
しかし数日前、最初に邂逅した時以来小道は現れない。

小道の雰囲気からして不気味であるし、美登里自身、得体の知れないものに首を絞められた感触が忘れられず、悪夢を見るくらいだ。
それでも何故訪れてしまうのかと言えば、杉本鈴美と再会して、彼女を殺害した犯人の手がかりとなった情報をさらに知りたいと思ったからだ。

小道が出現しないことが分かった今、いつまでもここにいる必要はないと判断した美登里だったが、いつの間にか自身の横に立っていた人物に気づいた。

漫画家の岸辺露伴だった。
手にはスケッチブックを持っている。彼はじっと、ドラッグストアとコンビニの間にある壁を見つめている。

「こんにちは、露伴先生」
「ああ、こんにちは。
…何だい、その驚いたような顔は。

僕だって大人さ。挨拶されたら返すよ」
「あ、えっと…すみません…」

美登里が苦手意識を持つ露伴の出現に、彼女は少しだけおどおどとしながら、謝罪を口にする。
露伴から言われた言葉にそれもそうだ、と納得しながら。

「君もよく来るのか、小道目当てに」
「…はい。鈴美さんに会えないかなと思って」

美登里がそういうと、怪訝な顔をして露伴がこちらを向くので、彼女は少し後ずさりする。

「君ってヤツは怖いもの知らずなのか、馬鹿なのか?

君のその首に巻きついた手、えらく君に恨みを持っていたようだな…。」
「…」

露伴が指さしたのは、美登里の首元だ。
あの時のことを思い出して、彼女は咄嗟に手で首元を隠す。


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