───ああ、またこの夢
堕ちる
真っ暗な闇の中に沈み続ける、夢
「ひっく……ひっく………」
ー 泣かないで ー
「どうして……」
ー 独りにして、ごめんね ー
「───許さない」
ー …うん、わかってる ー
「忘れるな。お前は誰からも許されない。絶対に許さない」
ー 私は憎まれて当然 ー
「そうだ。罪を償え」
ー うん ー
「私は」
ー 私が一番嫌い ー
「愚かで醜い」
ー 弱くて、ちっぽけ ー
「けして勘違いするな」
ー 私は誰も救えない ー
「憎め」
ー 憎んでるよ ー
「恨め」
ー 恨んでる ー
「一生苦しめ」
罪の数だけ 争いの数だけ
重く昏く深くなっていく無限の闇
痛みも 憎しみも 悲しみも 苦しみも 寂しさも
全て、引き受けるから
どれだけ傷だらけになろうとも
どれだけ血塗れになろうとも
この命が続く限り
この魂が在る限り
身体 意識 命 魂魄
全てを投げ出して、大切にするから
ー 罪を償うその時まで、どうか、生きていられますように ー
絶望しかないこの檻の中で
あなた達の幸せを夢見てる
[ 10/24 ]
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