何故、私がギルドの回し者だと気付かれたのだろう。地下牢に閉じ込められたアルエは、冷たさを帯びた天井をぼんやりと見上げながら、回らない頭の中で考えていた。自惚れるつもりはないが、隠密行動は自分の得意分野だった。なのに、いとも簡単に見破られてしまうとは。――やはり帝国は…侮れない相手ですね…。今更気付いたって仕方のない事だ。だが、どの様な拷問を受けたとしても、口を割る訳にはいかないし、割らない自信すらもある。 冷たい牢の中で