「だめぇっそこ、また…っ」
「狂いそうなんだろう?…このまま続けたら廃人になるかもしれないな」

クスクスと可笑しそうに笑いながら、アルエの泣き顔を堪能する。



――怖い、嫌だ。



何故、自分がこんなことをされているのか検討もつかない。
何故、こんな酷いことを。

ゆっくりと狂わされていく自分を他人事のように頭の片隅で認識しながら、薄れていく意識の中で何故このようになったかを考える。



「どうして…」

漸く言葉を口にしたが、シュヴァーンがその言葉に反応を示すことはなく、いつもの優しげな笑みを向け…否、その時に限っては狂気に満ちた、不気味な笑みを向けていて。

「来なさい」

腕を引っ張りあげられ、気付いた時にはシュヴァーンの身体に馬乗りにさせられていた。




虚栄3

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