「そろそろ諦めたらどうだ?」
「…いや」
「端っこに追い詰められて、逃げ場なんか無いのに?」
「いやなものはいやだもん…」

部屋の隅に追いやられ、アルヴィンが壁に両手をついて逃げ場を無くさせる。
誰だってこのような状況になってしまったら諦めはつくものだが、セラは諦めた様子はなく、先程からアルヴィンの腕を壁から離そうと押し返していた。


――諦めの悪いこった…。


一つ溜め息を吐いてやる。
そろそろ手加減するのは止めるかと、アルヴィンはセラの肩を壁に押し付け、セラの唇へと口付けをする。
肩に走る痛みに気をとられたセラは抵抗をする間もなく、アルヴィンを受け入れてしまった。
歯列を割り、強引に奥へと舌を侵入させ、セラの舌を捕らえ、無理矢理に絡まさせる。


――呆気ねーの…。


難なくセラを押さえることに成功し、アルヴィンがほくそ笑む。



逃げ場などないのに

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