「大人をからかうと酷い目に遭うと言うことさ」
クラースが言った言葉の意味を考えようとしたが、それと同時に、今度はクラースからキスをされ、アリシアの思考は停止する。
先程自分がしたそれとは違う。
息苦しさを覚える程の深い口付け。
そろりと侵入してきた舌に怯え、身体を震わせる。
「解ったかな?」
意地悪そうな笑みを浮かべながらそう切り返され、アリシアは咄嗟に言葉が出せなかった。
――痛い目に遭うってこの事?
大人とはこんなに恐ろしい口付けをするのかと、恐怖が浮かぶ。
「さて…アリシアも充分反省出来たようだから、戻るとしようか」
「は、反省って…クラース、からかったの!?」
その割りには反省させる方法が悪質だと叫んだが、クラースは気にした様子もなく、笑いながら道を下っていった。
クラースの背後から怒鳴る声が響くが、クラースはそれを苦笑しながら受け流していた。
――からかったつもりはないんだがな。
内心では本気だったのではと言う思いが渦巻いていた。
――いつになれば素直になれるのだか…互いに。
子ども扱い3