あの日は手術前だったんだけど、妙に続く手の痺れが気になって中々眠れなかったんだ。
「うわ、病院とかリアルすぎて怖いッスよ…!!」
ふふ。続けるよ。
なかなか寝付けない俺は、とりあえず本を読んで眠気がやってくるのを待っていたんだ。
暫く読みふけったあと、ふと時計に目をやると、既に深夜2時を回っていた。
流石にこんな時間まで起きているのは不味いと思って、俺はとりあえず電気を消して布団に潜って体を休める事にした。
そうして、電気を消そうと手を伸ばしたとき、それは聞こえたんだ。
そう、足音がね。
あぁ、なんだ。きっと誰かがトイレに起きたんだ。と思って俺は電気を消して布団に潜った。
その足音はだんだん近づいて来るけれど、まぁ、俺の病棟とは逆の方から来てるようだし、途中にあるトイレで止まるだろうと思ってたんだ。
けれどその音は止まる事を知らず、どんどん俺の病室に近づいてくるんだ…。
寝ぼけた患者が間違えたのだろうかとも思ったけれど、俺の病室の方は個室の部屋が多いし、間違えることはない。とおもう。
そんな事を考えていると、音はピタリと止まった。
俺の病室の前で。
廊下は足元の非常灯しか付いていないので、こっちから窓を伺っても人影が移る事も無くて、少し怖くなった。
もう音はしなくなった。だけど、しなくなった場所は俺の病室の前。
つまり目の前に誰かはいるんだ。
そして、ドアから目を離せなくなった俺を他所に、ドアは横にスライドしていった…。
そこには……
この階の担当の新人の怖がり看護士さんがいたんだ!!!
「うわぁぁあぁああああ!!!!
って…え?」
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