「え?袖を?それだけかい?」
「あぁ、次の日に泣きながらノンスリーブのシャツで登校して来た時の話ですか。」
「幸村部長…その話って…都市伝説の袖削ぎババァじゃ…」
「あぁ。俺もそれを思い出したよ」
「ソデハギ?…俺も聞いた事がありますが、手首を切り落とす女じゃありませんでしたか?」
「あれ、大阪では腕をもぎ取られるって聞いた事ありますわ」
「カワハギだが追いはぎだが知らねぇが、ようやく俺様の番だな。てめぇら、よく聞きやがれ。あれは俺様が商店街でウィンドウショッピングをしていた時の話だ。」
四章…語り:跡部景吾「足りない」