- ナノ -


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 揺り椅子に腰掛け、窓の外を見ながら、彼は言った。旅の間に、危険なことは山ほどあって、自然の厳しさも人間の残酷さもいっぱい見てきたけどさ。もし、それでも子どもたちが旅に出たいっていうなら、連れて行ってほしいんだ。他でもない、君に。
 竜はひとつ頷いた。そして、彼の子はやはりいつか、旅を希求するだろうと竜は思った。彼が外を見つめるその眼差し。それを、その子らも持っていたから。


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