- ナノ -
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水を出すことも、火を起こすことも、怪力を発揮することも敵わない。自分にはほんとうに何もできないのだろうか。たとえそうだとしても──好きと思えることなら、ある。
仔竜は大地を蹴り、羽ばたいた。飛べるようになってまだ日は浅い。しかしそれすら、これから見ることができるかもしれない景色への希望へ変わってゆく。
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