- ナノ -


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 急に喉が渇いたって、僕はみんなに水を分けてあげられるよ、と水竜の子。冒険に出ても、好きなときに焚き火ができるし、料理もできるぜ、と火竜の子。私は力に自信があるから、重いものを運ぶお手伝いができるわ、と闘竜の子。それで、君は何ができるの、と三竜が目の前の仔竜に言う。なにも……できない。仔竜は縮こまってそう答えた。三竜は顔を見合わせ、なんだあ、とつまらなそうにどこかへ行ってしまった。


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