- ナノ -


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 ありがとうね、と彼女は出会うたびに竜に言った。なんとなく次もまた会えるって思ってしまうけど、突然、もう会えなくなってしまうかもしれない。だから後悔しないようにいつも思いを伝えておきたいんだ。そう彼女は微笑んでいた。
 彼女のその笑顔を、竜は思い出す。竜と人との戦争は始まって久しく、彼女が息災か知る手立てはなかった。 


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