- ナノ -


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 やっと抱えられるくらいの大きさの林檎を、竜は手足で押して遊んでいた。それをしゃくしゃくと小さな口で齧っていた時期もいつしか過ぎ、かりりと小気味いい音を立ててひと口で味わう。このごろは、森から林檎を見つけて持ってきてくれるようにもなった。そう、もう竜は立派に飛べる。たとえ幾つもの林檎を持っていても。少年は竜の成長を眩しそうに見守っていた。ぼくも負けないぞ、と笑いながら。


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