- ナノ -




 みんなどこへ行ってしまったの、と仔竜は聞いた。竜は答えなかった。じょうずにとべたら、おそらのうえでみんなに会えるかなあ。仔竜は来る日も来る日も、大地を蹴った。そしてついに風を掴んだ。ふわりと青空に浮かんだ子竜に、竜は目を細める。いつか会えるさ、空の向こうで。竜はそう、呟いた。


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