- ナノ -


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 聞いたか、と飛竜が竜に言った。同じ考えを持つ竜が幾らか集まって人間の大国を攻めた。人も手加減なしの竜には歯が立たなかったらしい。
 昔、竜はその国へ行ったことがあった。何故こんなことに、と思わず言葉が漏れる。飛竜はそれには気がつかなかったようだ。今回のことで人間は竜を迂闊に攻撃しなくなると思うが、それもいつまで保つか。そう言ってため息をついた。


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