- ナノ -


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 この日のために鱗に磨きをかけておいたんだぜ、とその飛竜は言った。毎日念入りに砂や水を浴び、体調もしっかり整えたそうだ。今日こそあの子の心を掴んでみせる、と太陽に向かって誓う。
 竜も人も恋をすると同じだな。竜が呟く。飛竜はにやりとして竜に尋ねた。君には好きな子はいないのか。竜は幾ばくかの間の後、いない、と答えた。その横顔を眺めつつ、飛竜はそうかそうかと笑っていた。


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