- ナノ -


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 竜と人との争いは、大なり小なり、これまで何度も起こっていた。しかし、今回は人間たちの様子がどうも違う。積み重なってきた怒りか。人同士での情報網が発達したからか。見果てぬ夢と欲望が膨れ上がったのか。それとも。
 始まってしまったのだな、と竜は隣の闘竜に言った。闘竜は頷いた。人間たちはあくまで竜を滅ぼすまで戦い抜くつもりだ。疑いの余地はない。


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