- ナノ -
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空のこと、竜のこと。もっと知りたくて、歩いてる間にも本を読むくらいだったんだけど、違うよね。彼はそう呟いて、机の上に本を置いた。外にいるときは、空を。君たちといるときは、君たちを。よく見なきゃ、なんにもわからないよね。
竜はまるくなって寝息を立てている。いままで気がつけなくてごめん、と、その背を彼は優しく撫でた。
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