- ナノ -


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 片手でしっかりと竜に掴まりながらも、彼は地図と首っ引きで空路を確認している。わたしもこのあたりには初めて来るが、と竜が言った。たぶん大丈夫だ。目的の町まで行けるさ。
 楽観的だなあ。彼が少し呆れたように笑った。急ぐ旅でもないし、間違ったら戻ればいい。それだけのことだよ。竜はそう言って、少し冷たさを帯び始めた爽やかな風の中をぐんぐんと進んでゆく。


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