- ナノ -


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 まあ、人間が面倒見てくれたから今の俺があるとも言える、と猫又。俺ひとりじゃ、霊力つけて化ける前にぽっくり死んじまってただろうし。
 猫の時分、そこでよく撫でられていたことでも思い出したのだろうか。人家の縁側を眺める猫又の目がすっと細くなった。ずいぶん怖がられもしたが、それすら楽しかったよ。竜に向かって、猫又は寂しそうに笑んだ。


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