「惚れた女を聖女か何かみたいに神格化する男っているわよね。勝手に幻想を抱かれたり幻滅されたりして、女はいい迷惑だわ」

「特に今まで他人を信じられず孤独に生きてきた男が初めて誰かを愛した時、その初恋の女に対してそういう幻想にとらわれやすいみてーだな」

「貴方の言う通りだわ、リボーン」

「デート商法に引っかかりやすいタイプだよね」

「なまえがソレをやったら本格的に引っかかりそうな奴を少なくとも三人は知ってるぞ。例えば──」


ワオ、どういうこと?
君が僕を騙してたなんて信じられないよ。
何か事情があるんだろ?言ってみなよ。
誰にやらされたの?
僕が咬み殺してきてあげる。


クフフっ、なんだ、お金が欲しかったんですか!それならそうと早く言ってくれればいいのに。
僕、こう見えて意外と資産があるんです。
非合法な手段で稼いだ金ですけどね。
それで、いくら必要なんです?
一千万くらいまでなら即金で用意出来ますよ。


……ぶはっ!
お前如きにこの俺が騙されるかよ。
騙されたふりをしてやったんだ。有り難く思え。
なんだ、その顔は。
可愛いじゃねえか、カス。
いくら必要なんだ?
さっさと言いやがれ。


「ダメだこいつら早く何とかしないと」

「ダメね。騙された現実すら受け入れようとしないわ」

「どうして私が騙すの前提で予想してるの……詐欺なんかしないよ!」



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