「なまえにメール?」

マーモンは首を傾げた。
何だか面白そうな話が始まったとばかりに、椅子から身を乗りだしてザンザスとマーモンのやり取りを見守っていたベルが尋ねる。

「あいつ、携帯持ってたっけ?」

「この前買ってやった」

「へえ。さすがだねボス」

自分ならいくら相手が恋人であってもそんな出資はごめんだと考えたマーモンは素直に感心した。

「それでメールを打ってやるってことか」

どんなメールをしてやれば喜ぶか教えろ、ということらしい。

「ジョシコーコーセー相手なら、絵文字は当然として、派手めなデコメとかが喜ばれるんじゃね?」

「私のデコメ画像分けましょうか?超ラブリーなテンプレートもあるわよ」

ザンザスは嫌そうに顔をしかめた。

「面倒くせぇ」

「じゃあ、初めは絵文字を混ぜて普通にメールを送ってみたらどうかな。絵文字は便利だよ。短文でも絵文字がついてるだけで随分イメージが変わるからね」

「そーそー。ボス、絶対長文とか打ちそうにねーし、短くても絵文字がついてりゃ素っ気なく見えずに済むって」

マーモンの説明にベルが相づちをうつ。
ザンザスは無言で携帯を睨みつけたままだ。

「まあ、とりあえず何か適当に打ってくれれば、僕がそれに合う絵文字をつけるからさ」


**


「あれ?なまえ、携帯震えてないか?」

「ほんとだ。メールが来たみたい」

ちょっと待ってね、と綱吉に断って、姉はバイブ機能を設定していたらしくブルブル振動している携帯を開いた。
そうして顔を輝かせる。

「わあ、ザンザスからメールがきてる…!」

「ザンザス!?ザンザスメールなんかすんの!?」

綱吉は興味をそそられて姉の手元を覗き込んだ。




From:ザンザス
Sub:
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カスが




「なにこれ!!コワッ!!!!!!!!」

「ザンザス…」

怯えて青ざめる綱吉の隣で、なまえは携帯画面を見てポッと頬を染めた。



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