「『ぼくのなまえさんはどんなにアプローチしても本気にしてくれません。どうすれば彼女のほうから積極的にきてくれるでしょう?』」

「ふむ……『毎日何もせずぐうたら怠けていれば、このままでは拙いと思った彼女が自ら世話を焼くようになるでしょう』」

「なるほどぉ〜」

「次は私。『どんなに真剣になまえちゃんを口説いても靡いてくれません。どうすればいいでしょう?』」

「職と住居を失わせ、家族を騙して離縁させれば向こうから貴方に縋り付くでしょう」

「なるほどぉ〜」



「ははははは」

「ふふふふふ」



「では、次は同時に質問しましょう」

「善いとも」



「貴方のなまえさんの盗撮方法が知りたい」

「君のなまえちゃんの盗撮方法が知りたい」



「矢張りそれですか」

「当然だ。相手より先に盗撮方法を見破れば、外の仲間に頼んでその盗撮方法を防げる。つまり、勝利だ」

「ぼくの盗撮方法は見破れませんよ」

「見破るさ。その為に来た」



「くくくく」

「はははは……」





「くそ、さっきから何を話しておるのだ、こいつら!」

「警備長!本国から囚人の会話の解読結果が届きました!」

「おお、ようやくか!」

「二人は過去に互いが会話した内容をすべて暗記しており、その会話・単語を番地のように指定することで、二人だけに通じる暗号を即席で造っていると推測される」

「即席で!? では……解読は」

「決まっているだろう。不可能だ」



「怪物共め……!」


  戻る 

- ナノ -