※君のことが大大大大大好きな100人の彼女の設定だけパロ
※キメツ学園



「というわけで、悪の国会議員、鬼舞辻無惨さまを新しい彼氏として加えてもよろしいでしょうか」

「俺は反対だ!」

間髪入れずに反対を表明したのは杏寿郎さんだった。義勇さんも無惨さまのことを睨み付けている。
杏寿郎さんと義勇さんは私の最初の彼氏で、二人から告白されてどちらかを選べなかったことが全ての始まりだった。
でも、結果としてそれで良かったのだと思う。
何故なら、神社の神様の話によると、私の運命の恋人は複数いて、その誰もが私と結ばれないと死んでしまう運命にあるからだった。
そして、その運命の恋人とは、目があった瞬間にビビっと来るから一目でそれとわかるらしい。

無惨さまの時もそうだった。

他の彼氏の時と同じく、一目でビビっときて恋に落ちた。
あのプライドの高そうな無惨さまが、跪いて真摯な表情で愛を告白してきたのだ。運命の相手でなかったとしても落ちてしまうだろう。私は落ちた。

「別に貴様達に認められなくても構わん」

腕を組み、不遜な態度で杏寿郎さん達を見下ろしながら無惨さまが言った。

「こいつは既に私の女だ。誰にも渡しはしない」

「無惨さま……」

そんな場合ではないのに、思わずきゅんとしてしまった。無惨さまの顔と声が良いのがいけない。ただでさえいまの私は恋する乙女なのだ。自分以外皆ゴミとみなしているような無惨さまから重いくらいの愛情を示されて嬉しくないはずがない。

「僕は構わないよ」

無一郎くんが言った。

「だって、彼氏になれなかったら死ぬんでしょ。そんなことになったら君が悲しむ。君の悲しい顔は見たくないからね」

「無一郎くん……ありがとう」

これには、反対していた杏寿郎さん達も、むむ、となったようだ。
ずっと黙っていた義勇さんが口を開く。

「俺もお前を悲しませたくはない。お前の判断に従おう」

「むう……冨岡、お前まで!」

不利を悟った杏寿郎さんが唸る。

「杏寿郎さん……」

「わかった!わかったから、そんな顔をしないでくれ。俺も君の悲しむ顔は見たくない」

「じゃあ、」

「うむ。鬼舞辻無惨を君の新しい彼氏として認めよう」

「ありがとうございます!」

私は思わず杏寿郎さんに抱きついた。
が、すぐに後ろから掴まれてバリッと引き剥がされてしまう。

「私の前で他の男と睦まじくするな」

「ご、ごめんなさい」

「ああ、許してやる。お前は私の女だからな」

無惨さまが私の腰を抱き寄せたと思うと、キスをされてしまった。

「抜け駆けはいかんぞ!無惨!」

「俺もしたい」

「僕も」

はあ……なんて幸せなんだろう。
今日も素敵な彼氏達に囲まれて、私は世界一の幸せ者だと喜びに浸るのだった。


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