「はあ……今日も疲れたあ。水曜日なんて一週間の内で一番疲れる日なんじゃないの?早く寝ようっと」

「お待ち下さい、閣下」

「オーベルシュタイン?」

「これは罠です」

「えっ」

「このまま就寝されては、明日起きた時に後悔なさるでしょう。日付けが変わる前に明日の準備をなさって下さい。今日やれることは今日の内にと申します」

「うう……わかったよお」

「終わったら、僭越ながらこの私めが添い寝させて頂きますので、どうかごゆっくりおやすみ下さい」

「……冗談だよね?」

「閣下。こうしている間にも時間は容赦なく過ぎてゆきます」

「わ、わかってる!」

さっきの発言の真意を問いただしたかったが、冷たい二つの義眼からは何の感情も読みとれなかった。

本当に添い寝するつもりなんだろうか。

「閣下」

「はいはい、今やりますよ!」

このあと、明日の仕事に必要なものを忘れていることがわかってひやりとしたのだが、何とか日付けが変わる前に準備を終えることが出来た。
オーベルシュタインのお陰で、朝バタバタせずに済んで良かった。

持つべきものは優秀な部下である。


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