目の前に二人の男が座している。
いずれも劣らぬ剣士であるが、いまは殺気の代わりに熱を帯びた眼差しをなまえへと向けていた。

「祝言を挙げる準備は出来ている。俺を選んでくれるのならば、必ず死ぬまで君と添い遂げよう。なまえ」

とは、煉獄杏寿郎。

「主の一番は俺ですよね?主命とあらば、いますぐにでもこの男を斬り捨てますよ」

とは、へし切長谷部。

二人が答えを迫るなまえは、フョードル・ドストエフスキーの膝の上にいた。
何しろ、この中で彼が一番順位が上なので。

「俺を選んでくれ、なまえ。必ず後悔などさせない。君を護り抜くと誓う」

「黙れ。主を護るのはこの俺だ。ねえ、そうでしょう、主?」

「残念ですが、なまえさんは、いまはぼくのものなので」

ドストエフスキーが腕の中のなまえに唇を寄せる。
それを見た男達はギリギリした。

「むぅ……!」

「くっ……!」



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