「ごちそうさまでした!あー、美味しかった!」

「よく召し上がりましたね。見ていて気持ち良かったですよ」

「やだ、恥ずかしい。私、そんなに食べてました?」

「いつもよりも食欲旺盛でしたね」

「今日は赤屍さんが一緒だったから」

「本当に可愛らしい方ですね。貴女は」

お昼休みに赤屍さんと待ち合わせして一緒にお昼ご飯を食べた。
一番近いお店を選んだから、お客の中には見知った顔もあったが、気にせず食べていたら、結果として私達のラブラブぶりを見せつける形になってしまった。
ごめんなさい。あとでからかわないで。

「デザートのプリンはテイクアウト出来るようですよ。買ってあげましょう」

「わ、ありがとうございます!」

午後の楽しみが増えた。
ここのはいわゆる固めのプリンで、昔ながらの製法で焼かれたカスタードプディングだ。
これがまた実に美味しい。

「午後も頑張って下さいね」

「はい、ありがとうございました、赤屍さん」

お店を出たところで、ぎゅうっと抱き締められてキスをされる。
もちろん、知り合いにバッチリ見られてしまったが、赤屍さんとのかけがえのない触れあいタイムなのだから仕方がない。

「赤屍さんもお仕事頑張って下さい!」

「ありがとうございます。頑張ります」

赤屍さんはこれからお仕事だ。
詳しいことは聞けなかったけれど、とある組織に潜入している公安のスパイを『運ぶ』のが今回の依頼らしい。

「それでは、また」

「はい!また明日」

赤屍さんに見送られて歩き出す。
この瞬間はいつも寂しい。
何度も振り返って手を振ると、赤屍さんも手をあげて応えてくれた。

よし、午後も頑張ろう!


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