「初めまして。新宿で外科医をしている赤羽蔵人と申します」

「これはご丁寧に。初めまして、神宮寺寂雷です。シンジュク中央病院に勤めています」

「天才医師としてお噂はかねがね伺っていますよ。貧しく医療を受けられない者には自腹で治療をする人格者で、ヒプノシスマイクを使うことで相手を回復させることができるのだとか。実に興味深い」

「いや、お恥ずかしい。医師として当然のことをしているだけですよ」

「医師として…ですか。何故でしょうね、貴方からは私と同じ血の匂いがする。それに隠してはいますがその身のこなし、ただ者ではない。まるで殺し屋のそれだ」

「…貴方は何者なんです?」

「運び屋の赤屍蔵人。それがもうひとりの私です」

「もうひとりの…?」

「貴方に殺し屋としての過去があるように、私も色々と事情がありましてね」

「あの…寂雷先生、赤屍さん」

「何ですか?」

「どうしました?」

「お取り込み中のようなので、私はこれで失礼しても…」

「ダメですよ。逃がしません」

「危険ですから私の傍から離れないで下さい」

「ふえぇ…」


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