「長谷部!!」 破壊した門を乗り越えて敷地内に入ると、待ち構えていた敵とすぐに交戦することになった。 あちこちから刃を激しく交える音が聞こえて来る。 「ここは任せて早く奥へ!」 「主君、お早く!」 一期一振と短刀達の声に押されて、建物の中に乗り込む。 大半の敵が外に出払っているらしく、中には殆ど敵の姿はなかった。 時折斬りかかって来る敵は、全て光忠によってすぐに斬り伏せられていく。 「長谷部!」 「主、この奥だ」 パァン!と襖を引き開ける。 広い座敷の奥に、また襖。 同じくそれを引き開けると、ようやく最奥とおぼしき場所に辿り着いた。 「長谷部!」 長谷部がいた。 激しく抵抗したのだろう。 後ろ手に拘束されている彼はあちこち服が破れ傷だらけで、ボロボロの姿になっていた。 「主…!?」 「長谷部、良かった!助けに来たよ!」 長谷部を拘束していた荒縄を小太刀で切り、解放すると、一瞬、ぐらりと彼の身体が揺らいだ。 それを支えた拍子に汗の匂いが鼻をかすめる。 「長谷部、長谷部、もう大丈夫だからね」 こみあげてきた涙を堪え、長谷部を支えながら元来た道を戻って行く。 「申し訳ありません、主…」 「いいの。もう大丈夫だよ、長谷部」 途中、最後の敵らしき大太刀を倒した光忠と合流した。 「長谷部くん、無事で良かった」 「貴様…主をこんな危険な場所へお連れするなど…!」 「うん、いつもの長谷部くんだね」 朗らかに笑った光忠が長谷部を反対側から支えてくれる。 外へ出ると、皆が待っていた。 敵は全滅したようだ。 「長谷部が無事で良かった…」 思わず長谷部を抱き締めると、おずおずと身体に腕が回される。 「ありがとうございます、主。あなたは俺の命の恩人です」 「皆が助けてくれたお陰だよ」 「またあなたと会えて本当に良かった…お慕いしております、主」 「長谷部…!」 固く抱き合う長谷部と私を祝福するように、皆が取り囲んで見守っていてくれた。 (*´∀`)という夢を見ました。 |