本丸に戻ってきた。
とりあえず温泉旅行の件は秘密にしておこう。
そう決めて自分の部屋へ戻ろうとした時、

「ぬしさま」

背後から聞こえた声にぎくりと足を止める。
いつの間に近寄ったやら、小狐丸がすぐ後ろに立っていた。

「文が届いておりまする」

「あ…あ、そうなの、ありがとう」

折り畳まれたメモのようなそれを受け取り、小狐丸の視線を感じながら開いた。


■中間報告■
・長谷部 6
・三日月 8
・薬研  6
・一期  2
・小狐丸 3
・燭台切 6


「これは……」

「ぬしさま?この小狐の名前も載っているようですが」

「な、なんでもないよ!」

「…ぬしさまは何か隠しておられる」

「本当に何でもないから!忘れて!」

瞳を細めて見つめてくる小狐丸から逃げるように自室に向かって駆け出した。

危なかった。


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