金魚草柄の着物と帯を贈られて無邪気に喜んだのが馬鹿みたいだ。

何故気付けなかったのだろう。
彼の計画は既にそこから始まっていたのである。

「ふぁ……ぁ、ん…っ」

甘い声が漏れ出るのを止められない。
今は真昼だというのに。
そして、鬼灯は指一本この身体に触れていないというのに。

そう、何もしていないのだ。
彼はただ、金魚草柄の着物をはだけた状態で緊縛され一人狂乱して悶え狂う様を、あの怜悧な眼差しでじっと見つめているだけだった。

「貴女が浮気なんてするからいけないんですよ」

う、浮気…?

「メルマガが配信された後、私以外の男の票が増えていたでしょう。特に、あの魔人の票が」

あれは単なるアンケートであって浮気なんかじゃないんです!、と叫びたかったが、恐怖のせいか声すら出せない。

「私にとっては同じことですよ」

心を読んだように鬼灯が言った。

「私に触って欲しければおねだりしてごらんなさい」

「お…ねが…い…します……」

「声が小さいです。聞こえませんでした」

ジーーーッという音が聞こえる。
カメラが回っているのだ。

頬ばかりか全身が燃えるように熱くなるのを感じながら、懇願する。

「鬼灯様の!鬼灯様の金棒を下さい!鬼灯様の金棒で私のはしたないところをグリグリして下さい!!」


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