「こちらこそよろしく。じゃあ…早速だけど、いつから働けそうかな?」

「明日からでも大丈夫です」

「それなら、今日はこのままアジトの中を案内してやったらどうだ?」

リボーンがそう言ったとき、ノックの音が響いて、三人はそちらへ目を向けた。
返事を待たずにドアが開く。

「入りますよ、ボンゴレ」

入ってきたのは長身の美青年だった。
青みがかった長い黒髪が背で揺れている。
左右の色が違う美しい瞳が室内にいた三人をさっと撫でて、なまえの上で止まった。

「おや…もしかして、彼女が新しい事務員さんですか?」

「そうだよ。変なちょっかいだすなよ、骸」

綱吉が苦い顔で釘を刺す。
骸と呼ばれた青年は花のような唇を綻ばせて笑った。

「心外ですね。僕は紳士ですよ」

綱吉の表情と対応から要注意人物であることは何となく察せられたため、なまえは当たり障りのない感じに「よろしくお願いします」と青年に向かって頭を下げた。

「初めまして。僕は六道骸といいます。骸と呼んで下さって構いません」

「骸、さん?」

「ええ」

青年の唇に浮かぶ笑みが深くなる。

「それにしても、随分とまた普通そうなお嬢さんですね。マフィアの身内というわけではなさそうですが」

「ああ、俺がスカウトしてきた」

「アルコバレーノが?……そうですか、それは面白い」

ヤバい人にヤバい感じに目をつけられてしまったようだ。
骸が自分を見る目つきと綱吉の表情でそれが分かった。



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