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肉豆腐と韮卵雑炊をお腹におさめた半兵衛は、来た時よりもずっと顔色が良くなっていた。
頬にも少し赤みが差している。

箸を置いた半兵衛はしみじみとした口調で言った。

「君は早くお嫁においで」

「大学を卒業するまであと4年もありますよ半兵衛さん」

「学生結婚という手もある」

「赤ちゃん出来たら休学しないといけないじゃないですか」

「それは赤ちゃんが出来るような事をたくさんして欲しいというおねだりかな」

「病人は大人しく寝てて下さい」

天音は半兵衛を寝室に連れて行った。
エプロンを取り、カーディガンを脱いで、掛け布団を捲って待っている半兵衛の隣に入り込む。

「君はあたたかいね」

「今日は半兵衛さんのほうがあったかいですよ」

「ん……」

身体をすり寄せてきた半兵衛の腕の中にすっぽりおさめられる。
これじゃあ寝苦しいんじゃないかと思ったが、本人は満足そうだ。

「天音」

「はい」

「愛しているよ」

「はい」

言葉と一緒に落ちてくる口付けを受け入れる。
艶めいた唇は柔らかく、やはりまだ少しあたたかい。

「…半兵衛さん」

背中を撫でた手にぞくりとする。
その手は腰から腿へ滑り降りていき、天音のスカートの中に侵入してきた。

「半兵衛さん」

「なんだい?」

分かっているくせにとぼけてみせて、半兵衛は今度は首筋に唇を滑らせた。

「汗をかくと熱は下がると言うだろう」

「それは医学的に証明されてるんですか?」

「さあ?とにかく、僕は君のお陰で元気になったから問題ないよ」

半兵衛は天音の両足の間に身体を割り入れて微笑んだ。
顔を赤くした天音の身体がぴくりと跳ねる。

「…本当だ、元気いっぱいですね」

「お陰様でね」

半兵衛は澄ました顔で言って天音に深く口付けた。



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