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よく働く子だな。
マネージャーの仕事に励む七海を、幸村は感心しながら見守っていた。

ただせわしなく走り回っているのではなく、効率を考えて動いているのだと気付いた時には驚いた。
一瞬、観月の指示なのかとも考えたが、その場その場で臨機応変に対応しているところを見る限り、やはり彼女が自分自身で考えて動いているのだろう。
判断力も行動力もあるということだ。
幸村は素直に感心した。

それでいて、身長が足りなくて届かない高い場所に置かれたノートをむきになって背伸びして取ろうと必死になっていたりするのだから面白い。

明るく元気でよく気が利いて、頭もいい。
そして可愛い。
外見がというよりも、雰囲気やその仕草が可愛いと感じさせる。

「欲しいなぁ」

思わず声に出ていた。
近くにいた仁王がその呟きを耳にして喉で笑う。

「そんなに気にいったんか」

「ああ。すごく欲しいよ」

熱情を隠しもせず、じっと少女に眼差しを注いだまま幸村は素直な気持ちを答えた。

「帰り際に不意打ちで抱き上げてそのまま攫っていっても大丈夫だと思うかい?」

「…お前さん、たまに本気で恐ろしいことを言うから洒落にならんぜよ」


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