シャワーを浴びた後、マーモンが用意してくれた服に着替えた真奈は、リビングのソファに座って寛いでいた。

その間に寝室に入ったラウラによってベッドメイクがなされ、浴室のアメニティも補充された。
だから彼女には何があったかバレバレで、仕事を終えた彼女に「良かったですね」とにっこり微笑まれた時は顔から火が出そうだった。
マーモンまで当然のように「ボスは優しかったかい?」などと聞いて来るので恥ずかしくて死にそうだ。

とにかく、一晩の間に色々なことがありすぎた。

パーティーに出て、色々な人にあって、溺れた子供を助けようとしてザンザスに助けられて、それから……。

(これって、恋人同士になったっていうことでいいのかな)

ザンザスのことは好きだ。
たぶん、初めて会った時からずっと好きだったのだと思う。
その彼とこうなれて嬉しいと感じる半面、何もかもが急過ぎるとも感じていた。
出来ればもっとゆっくり愛を育みたかった。

「ボスが戻ってきたよ、真奈」

「えっ」

マーモンのほうを見るのと同時にドアが開いた。

ザンザスが足早に入って来る。
続いて、スクアーロが。

「マーモン」

スクアーロがマーモンを呼んだ。
すぐにマーモンがそちらに飛んで行く。

真奈に歩み寄ったザンザスは、小さな子供にするように彼女を抱き上げた。

「真奈」

「え、あ…んんっ」

いきなりキスをされて戸惑うが、ザンザスはそんな真奈を抱えたまま寝室へと足を進めた。

「ちょ、ちょっと待って…!ザンザス!」

「後のことは任せろぉ」

スクアーロの声が聞こえてきたのを最後に、寝室のドアが閉じられた。


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