今日も平和だなあ。

沢田綱吉は久しぶりに訪れた平穏な日々を満喫していた。
思えば、リボーンと出会って以来、脱獄囚にカラダを狙われたり、暗殺部隊に抹殺されかけたり、未来に飛ばされたり、初代ボスの時代からの因縁に巻き込まれたり、アルコバレーノの呪いに関わるいざこざが勃発したり、それはもう死ぬほど酷い目に遭ってきた。
黒曜事件から何年間も戦い続けていた気がするくらいだ。

「10代目、どーぞ」

「あ、ありがと、獄寺君」

自称右腕から差し出されたブリックパックを笑顔で受け取る。
沢田家の双子の好物、イチゴ牛乳だ。

「ツナ、ほんとにそれ好きなのな」

綱吉の手元を指して山本が朗らかに笑う。

「そういう山本こそ、いつも牛乳だよね」

「こいつのは馬鹿の一つ覚えって言うんですよ、10代目」

「ははっ、お前も飲まねーか?獄寺」

「誰が飲むかっ!」

獄寺がジト目で山本を睨む。
こんなやり取りもいつも通りの光景で、綱吉は何だか嬉しくなった。


しかし、そんな束の間の平和は、遠くから徐々に近づいてきた爆音によって終わりを告げたのだった。



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