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「ごめんなさい、いまお菓子無いんです」

「そうですか。では、悪戯ですね」

赤屍さんの動きは素早かった。
私の腕を掴み、痛みを感じさせる間もなく注射針を腕に刺し込む。
何かの薬液が注入されるまで、私は全く反応出来ずにいた。

「な、何を……」

頭がくらりとした。
急激な眠気に襲われて立っていられなくなった私を赤屍さんが抱きとめる。

「おやすみなさい。眠っている間にすぐ着きますからね」

どこに?と聞きたくても、もう目を開けていられない。声も出せない。

私の意識はそのまま闇に飲み込まれた。

「大丈夫、これから始まる私達二人の生活を、きっと貴女にも気に入って頂けるはずです。必ず、ね……」


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