それから数時間後。


「…く……そ……」

「…馬鹿…な……」

ついに限界が訪れた男二人が撃沈したことで勝負は終わった。
ようやく長い長い飲み会が終了したのだ。

男二人が倒れ伏しても、真奈は両手で一升瓶を支え持って、まだごくごくラッパ飲みしている。

そしてそれを飲み終えると、きゃっきゃっと楽しそうにはしゃぎながら、ザンザスとリボーンを全裸に剥いて、油性ペンであらぬ場所に落書きを始めた。

「見て見て、ツナ!ほら、象さん!」

真奈とは母のお腹の中からずっと一緒に育ってきた仲だが、綱吉は生まれて初めてこの双子の姉を心から恐ろしいと思った。
そこらの酔っ払いとはレベルが違う。
全然違う。

窓から差し込む美しい朝日を浴びながら、綱吉はこれから始まる新たな修羅場を思って早くも頭痛がし始めるのを感じていた。



その後。

守護者から暗殺部隊幹部にいたるまで殆どの人間が二日酔いに苦しむという異常事態の中。
一人甲斐甲斐しく世話を焼いて回っていた真奈は、さすがに全裸で象さんは可哀想だと思ったのか、リボーンには愛用している帽子の着用を、ザンザスにはお気に入りのブーツの着用を許可したのだった。

むしろそのほうが卑猥だと誰もが思ったが、誰一人としてそれを口にする者も笑う者もいなかった。

恐ろしくて。



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