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※ルシウス従妹夢主


試験も終わり、夏期休暇まであと少しというある日の事。


「試験で疲れた心と身体をほぐすには、ちょっとしたレクリエーションが一番と思わんかね?例えば、宝探しとか」

生徒想いの校長の鶴の一声で、ホグワーツ全校生徒による宝探し大会が開催される事になった。

ルールは簡単。
各寮ごとに2人一組となり、校内に隠された【宝】を探し出す。
最初に見つけたペアが優勝だ。
個人競技とはいえ、優勝者の所属する寮には得点が入る為、実質寮対抗戦の様相になっていた。


「パートナーは各寮ごとにクジ引きで決める事になった」

こちらはスリザリンの談話室。
スリザリンの現在の最高権力者であるルシウス・マルフォイは、真剣な表情で見守る寮生達に、金色のゴブレットを掲げてみせた。

「この中には予めペアの紙が引かれると同じ色に発光する魔法が掛けられた紙が入っている。それぞれ好きな物を引きたまえ」

その言葉に、次々とゴブレットに手を入れる生徒達。
ゴブレットから出された紙は、最初はただ白いだけだが、誰かがペアの紙を引き当てるとそれぞれ赤や緑に光ってペアの相手を知らせた。

あちこちで色とりどりの光が輝く。
談話室の中は直ぐに、同じ色の紙の持ち主を呼び合う生徒達の興奮した歓声でいっぱいになった。

「さあ、なまえ。君も引きなさい」

ルシウスに促されて、なまえもゴブレットに手を入れる。
ドキドキしながら紙を引き出すと、その紙は…

「…あれ?」

なまえが引き出した紙は、何故か光る様子もなく、白いままだった。

「君がハズレを引いてしまったのか……実は、人数の関係で一人だけパートナー無しで行動しなければいけないのだよ」

キョトンとするなまえにルシウスが申し訳なさそうな顔で説明する。

「え?一人って…私だけ?」

「そうだよ」

可哀想に…と眉根を寄せると、ルシウスはなまえの手から白い紙をそっと取り上げた。

「だが、心配しなくていい。私の紙と替えてあげるから」

「ううん。大丈夫よ、兄さま。ちょっとびっくりしただけ。私、一人で平気だから」

身内贔屓はスリザリンのお家芸だが、さすがに公平さを期してクジ引きにしたのに、寮の代表者に決まりを破らせるわけにはいかない。

「しかし…」

「心配しないで、兄さま」

まだ心配そうにしている従兄に大丈夫だからと笑って、なまえは他の生徒達とともに談話室を出発した。


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