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食欲の秋、行楽の秋、そして、スポーツの秋。
今年も体育祭のシーズンがやってきた。

「今年も頑張りましょうね!10代目!!」

「ああ……うん…」

張り切る獄寺とは逆に、綱吉の顔色は優れない。
それもそのはず、チラチラとこちらを見る周囲の生徒達の視線の険しさに、否応なく一年生の時の体育祭での事件を思い出させられているからだ。

あれは本当にひどかった……。
その時の出来事を知っている生徒は、明らかに綱吉を批難と敵意を持って遠巻きにヒソヒソと陰口を叩いていたりする。

「よっ、ツナ!」

バシッと背中を叩かれて振り返れば、ジャージに鉢巻きと、戦闘準備万端な山本が笑顔で立っていた。

「どーした?元気ねえな」

「あ、こら、てめー!野球馬鹿!10代目になにしやがる!」

「まーまー。せっかくの超ビックイベントなんだから、楽しもうぜ」

直ぐさま獄寺が食ってかかるが、爽やかな笑い声を上げた山本は構わず綱吉の肩に腕を回してグッと引き寄せる。
ツナも釣られて弱々しい笑顔を浮かべた。

「あんま気にすんなよ。な?今年は楽しくやれるって」

「そうですよ、10代目。外野なんて気にする必要ないっス」

「う、うん」

綱吉だって、出来ることなら平穏無事に済ませたい。
リボーンが余計な真似をしなければ、だが。
こればかりは綱吉にも防ぎ様がなかった。

「ん?そーいや、真奈は?」

「実行委員に呼び出されて一緒に行ったよ。打ち合わせだってさ」

「打ち合わせ?」

「うん、なんか、真奈が出る事になってる借り物競争で問題があったとかで」

山本の人好きのする笑顔が、怪訝そうな表情に変わる。

「そいつは変だな…俺、さっきまで別の実行委員の奴と話してたけど、そんな事言ってなかったぜ」

「ええっ!?」



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