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高層ビルの間を乾いた風が吹き抜けていく。
この超高層ビル郡のど真ん中がチョイスの会場であるらしい。

現在綱吉達がいる場所はビルの屋上だが、チョイス自体はこのビル郡全体が舞台となるのだろう。
高さと遮蔽物をどう活かすかが鍵になりそうだ。

「では、3分後に開始します。用意して下さい」

戦闘についての説明を終えたチェルベッロがそう告げたのを機に、綱吉達は早速動き出した。

「ちょっと寒いわね。あなた達、大丈夫?」

「はい…」

ビアンキに肩を抱かれたハルと京子が頷く。
その言葉を受けて、雲雀も真奈に視線を向けた。
その無言の問いかけに真奈は首を横に振って答える。
これくらいの寒さなら平気だ。

「気温は18℃。でも、高所とビル風のせいで体感気温はもっと低い」

手元の機械を見てスパナが言う。
その直後、入江に呼ばれて彼は基地ユニットの中に入って行った。
チョイスに参加する綱吉、山本、獄寺の三人も既に中に入ったようだ。

「参加戦士(メンバー)以外の方はこちらへ。観覧席へ移動して頂きます」

基地ユニットを転送させたチェルベッロがその場に残った者達を振り返る。
彼女達に気を取られたほんの一瞬。
その一瞬の間に一気に距離を詰められていた。

「やあ、真奈チャン。今回は初めましてだっけ?」

「!?」

真横から聞こえた声に真奈がバッとそちらを向くと、離れた場所にいたはずの白蘭がいつの間にか直ぐ隣に立っていた。

「相変わらず食べちゃいたいくらい可愛いなぁ」

全身の毛が総毛立ちそうな悪寒に襲われて震え上がる真奈を、白蘭は胡散臭い笑顔を浮かべながら覗き込む。
しかし、次の瞬間、キスでも出来そうな距離まで近付きかけていた白蘭の顔の前に、ジャキンッと金属製の棒が割って入った。

「何のマネだい?」

「恭弥さん…!」

不機嫌そうな顔をした雲雀が真奈を自分の後ろに隠すようにして立ちはだかる。

「んん?あれ…?」

白蘭は目を丸くしてそんな雲雀を見下ろした。

「もしかして、君達恋人同士?」

「この子は僕のだよ」

雲雀がきっぱりと言い放つ。
カッと真奈の頬に血がのぼった。



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