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御幸のせいで輝くダイヤモンド

陽射しが暑い。
けれど、今日も彼らは白球を打ち、白球を追いかける。
ダイヤモンドに散らばる光。
それが高校球児!!
私は彼らの光る汗を余すことなく撮り納めるのが使命!!
今日も私、決まってる。

フェンス越しから下を見やればブルペンに御幸がいた。
練習試合だからか、今日は先発じゃないようだ。
川上とキャッチボールをしている。


「御幸ー!来たよー!」


「げ、うるさいやつが来た」

「応援してるんだから、うるさいに決まってるじゃん」

「お前の応援なんてなくても勝てるっつーの」

ニヒヒと笑う顔が憎たらしいな。
川上、ボール投げつけてやってよこいつの頭に。

「試合に出てないくせに何言ってんの」

「今日は二試合目から出るんだよ」

「…あっそ。良い写真たくさん撮りたいから、ちゃんと頑張ってよね!」

首から下げたカメラを構えファインダーを覗く。
遠くに見える純さんにピントを合わせてシャッターを押す。
愛の力でこっちに気付いたのか、少しだけグローブを持った手を振ってくれた。


「お前そー言って、この前も俺の写真撮るの忘れてたよな」


「あはは…御幸のプレーがかっこいいからさ、つい見惚れちゃうんだよねー」

悔しいけれど顔だけイケメンで、試合の良いとこで決めてくる御幸はかっこいい。
野球のルールはわかるけど、深いとこまではこれだけ観ててもわからない。
それでも御幸がキャッチャーとしても打者としてもすごいことは、まぁ、それなりに?なんとなく?わかってあげないこともない。

だから、割と素直にそう言葉にすれば、普段絶対向けられることのない屈託のない笑顔が返ってきて、思わずどくりと心臓が鳴る。


「ま、今日も魅せてやるから、しっかり目に焼き付けとけよ」


なんだよ…
野球してる時だけやけに楽しそうじゃないか。
あー…今日もダイヤモンドが眩しい。


[ 御幸のせいで輝くダイヤモンド ]

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