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伊佐敷先輩とツーショが欲しくて

「純さん!写真撮らせてください!」

またうるさいやつが来た。
なんの遠慮もなく教室に入ってくるし、クラスメイトたちは怪訝な目でみてる。
下級生が調子に乗んなって怒ってくるようなやつがいないことが救いだな。

「ざけんな!忙しいからあっち行ってろ」

でもウザいことに変わりはないから、適当にあしらう。
視線も机の上の返ってきたばかりの残念なテストへ向けた。

「えー?テストで赤点ですか?純さんって実はおバカさん」

「喧嘩売ってんなら買うぞコラ」

「あ、ここ、答えは3番ですよ」

「お前2年のくせにわかんのか?!」

文武両道なのはわかってるし、成績だって中の上下をウロウロしてる程度で悪いってほどではない…と思う。
ただ、どうしても自学が…クソ言い訳だな!
どうせバカだよ!

みょうじは、これをこうして…と数式を提示しながら丁寧に解き方を解説してくれる。
年下に教わるとか情けねぇこと極まりねぇけど、すっげぇわかりやすい…。

「今習ってる所なんです!!やぁー純さんの役に立てて嬉しい!
じゃあ、寄ってくださ〜い」

「え?は?!」

誇らしげな顔のみょうじは、そのままニコニコしながら携帯のインカメを向ける。
普段ならデジカメかレフカメラのくせに…。

「また3年の卒アル用か?」

なぜか決め顔のみょうじもそのフレームのなかに入って、いわゆるツーショット。
シャッター音は即座に切られる。

「いいえ?私の待ち受け用です」

「消せ」

「嫌ですぅ」

「ああ?!体育祭の時も撮ってやっただろ!」

「好きな人のは何枚でも欲しいんですぅ」

「ば…っ!!…っバッカじゃねぇの?!」

コイツはぁぁぁ!!
なんですぐそういうことが言えんだよ!!


「純さんは素直じゃないなぁ」


「うるせぇ!お前と一緒にすんな!用がねぇなら帰れ!!」

「照れ純さんもパシャり!ふっふーかっわいいー」

「オイ!みょうじてめぇ!!」

「純さーん!また来ますねー!」

「もう来んなバカヤロー!」


[ 伊佐敷先輩とツーショが欲しくて ]

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