その叫びにかき消されて佐助には聞こえなかったが、松永が半兵衛に何事か言ったらしい。
軍師は不愉快そうに美しい顔をしかめていたが、それ以上に怒っている人物がいた。
天音である。
彼女は突然テーブルをひっくり返しかねない勢いでバッと立ち上がった。
怒り狂った彼女の手にはいつの間にか鞭が握られている。

「尻を出して四つん這いにおなり!!!」

「天音ちゃん! 猫! 猫全部落ちてる猫! 一匹でいいから被り直して!!」

「こうかね? 初めてだから緊張するな」

「アンタも素直に従わない!!!」

「Ha! テメエだけにイイ思いをさせてたまるかよ、松永! 天音、オレの尻もぶってくれ!」

「竜の旦那まで何やってんのさ!!」

「小十郎さん、政宗さんがお尻ぶって欲しいそうですよ」

「仕方ありませんな……この小十郎、心を鬼にして叩かせて頂きます。覚悟はよろしいですか、政宗様」

「NO! よくねえよ! なんで小十郎がやんだよ! 天音にぶたれるから性的な興奮を伴うPlayとして成り立つんだろうが!」

「成り立たせないで!!!」



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