(何言ってんだ?コショウだぞ?あれ?コショウ?なんだっけ?★★が持ってんのは…そうか、魔法の粉か!★★は魔法使いだからな!●●ちゃんは妖精さんだし、その鱗粉で作った粉か!)
どうやらサンジは混乱しているようだ。
「もしかしたら新しいレシピを開発…」
「サンジく〜ん?」
「はいっ!」
条件反射で返事をしたサンジだったが、いざ振り返ってみると魔王のごとくナミが仁王立ちしていた。
その背後には禍々しいオーラを感じて、サンジは★★の手からコショウをそっと取り上げた。
「お菓子にコショウは止めような…」
「うん…」
ナミのオーラを感じたのか、★★も大人しく従った。
その後も容器に入れようとしてバットが海になったり、絞った生クリームが空の彼方に飛んでいったり、飾り付けのイチゴが木っ端微塵になったり、と三人で右往左往しながら、なんとかマシュマロのムースが完成した。
(マフィンやめて正解だったな…)
途中からシレッとメニュー変更した自分を褒めたい気分のサンジだった。
当の二人は上手く出来たと大喜びで、少し遅いおやつの時間へ突入した。
ムースと同時進行でなんとか完成したビスケットやケーキが、ルフィの胃袋に吸い込まれそうなのを阻止して女性陣にふるまった。
もちろん、★★と●●にも。
「サンジ!サンジも食べてみて!」
代わりに二人は嬉しそうにムースを差し出してきた。
「今日はホワイトデーなんだけど?」
逆じゃないか?と言うと、●●がボードを見せた。
“この間は失敗しちゃったから”
「リベンジだよ」
“サンジに食べてほしいな”
いつぞやのデジャヴを感じたが、今回はサンジ監修なので安心しきって口にした。
しかし、まず感じたのは舌を焼くような辛味だった。
次いで口内に謎の痛みが走り、それは油断した分だけ大きく感じた。
「〜〜〜っ!」
言葉もなく悶絶したサンジの口の中は、頭の中と同様に大混乱だった。
何故だろう、このムースの中にはマシュマロと牛乳とココアしか入っていないはず。
それなのに何故、口の中に鉄の味が広がるのだろうか。
あと、カレーの味。
「サンジ!?大丈夫?」
「★★…、おれは最後にココアまぶせって言ったよなぁ…」
「うん、ちゃんと入れたよ」
「じゃあ、なんでカレー粉が混ざってんだ…」
「ブレンドしたら美味しくなるかと思って」
絶望の中、ついに痛みに耐えられなくなったサンジが咳き込むと、口の中から何かが零れ落ちた。
それを手で受け止めると、血に濡れた謎の赤い突起物が姿を現した。
「なんだ、これ…」
「!」
サンジが戦々恐々していると、●●がハッとしてからオロオロし出した。
“殻むくの忘れてごめんなさい…”
「カラ!?ななななに入れたの!?●●ちゃん!」
“カニだよ、冷蔵庫で冷やす時に隣にあったから…勝手に使ってごめんなさい”
「いや、そうじゃなくて!なんで入れたの!?」
“だってサンジ、カニ好きでしょ?”
「サンジだけ特製だよ!」
二人の満面の笑みを見て、サンジは涙が零れそうだった。
(これが不器用マジックか…)
どうやらサンジの試練は、まだまだ続きそうだ。
2014/03/17
結局、進歩なしです(笑)
というわけで、またまた勝手にコラボさせていただきました!ありがとうございました!
レシピは適当なので突っ込まないでください…
というわけで、またまた勝手にコラボさせていただきました!ありがとうございました!
レシピは適当なので突っ込まないでください…