Rachel

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※名前はデフォルト名です。

「サンジー、メシはー?」
「ちょっと待ってろ…」

そもそも船長は興味もない。

「まだやってんのかよー」
「もう終わる…」

狙撃手は元からなので気にしていないのだろう。

「サンジ!大丈夫か!?手伝うぞ!」
「いや、大丈夫だから…」

船医に至っては悩むそれすらない。

「どうせ、やったって変わんねぇだろうが」
「うるせぇよ!!」

そして、クソ剣士にはデリカシーってモンがない。

野郎どもに次々と急かされて、おれは部屋を飛び出した。
無神経な態度とか、煽るような発言は頭にくるが、それ以上に自分の思い通りにならないというジレンマがあった。
誰が悪いかと言われれば誰も悪くないんだが、当たらずにはいられない。
そもそも、あんな一週間も風呂に入らない連中におれの悩みが分かってたまるモンか!

イライラしながらもダイニングルームへ向かうと、そこには女性陣がすでに席に座っていた。
おれとしたことが、レディを待たせるなんて…

「朝から大変ね」
「わりぃな、すぐに朝メシ作るから」

考古学者は悩む余地もないほど美しい。

「もう諦めたら?この海域ももうすぐ抜けるし」
「いやいや、これはエチケットだから…」

航海士は諦めたと言わんばかりに一つに纏めている。

麗しい二人に紳士ぶってから朝食の支度をしていると、先ほど男子部屋を覗いていた連中がダイニングルームへ戻ってきた。
相変わらずの喧しさを無視していると、少し遅れて最後のクルーがやってきた。

「あ、リルちゅわん!」
「お、やっと起きたか!って、おい!」
「ど、どうしたんだ!?リル!」
「はっ、なんだぁ?それ」
「うわははははっ!すげーなぁ!ワカメみてぇー!」
「?」

ルフィの喩えを皮切りに室内が笑いに包まれると、彼女は不思議そうな顔をした。
笑いを堪えながら、仕方なさそうにナミさんが扉の窓ガラスを指差した。

「ほらぁ、見てみないよ」
「大丈夫?直してあげましょうか?」

ロビンちゃんに促されて、ようやく状況を理解したらしい彼女は慌てて頭を押さえた。
恥ずかしそうに俯く姿に、おれは思わず吹き出してしまった。

「ぷっ…」
「!?」

笑い声が木霊する中で、おれの声なんて小さなものだったはずなのに、どうやら聞こえてしまったらしい。
顔を真っ赤にした彼女は目に涙を溜めた。

どうやら、歌姫も湿気には弱いらしい。

6月の君
2015/06/18

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